プ ラ チ ナ の 進 化

プ ラ チ ナ の 進 化

前回の原料の歴史から概要までお話しさせていただきましたが、今回は各原料について掘り下げていきたいと思います。

まずはプラチナから紐解いていきましょう。


神秘の金属から最先端の美容成分へ。プラチナが遂げた驚くべき進化の物語

プラチナ(白金)と聞くと、何を思い浮かべますか?
永遠の輝きを放つジュエリー、あるいは希少で高価な貴金属。その高貴なイメージから、美容成分としても古くから使われていたように思われるかもしれません。

しかし、プラチナがスキンケアの世界で脚光を浴びるようになったのは、実はここ数十年のこと。かつては加工すら難しかった「神秘の金属」が、科学技術の進化によって、今やプロフェッショナルが注目する最先端の美容成分へと生まれ変わったのです。

今回は、プラチナが歩んできた進化の軌跡をたどります。

第一章:神秘のベールに包まれた時代

古代、プラチナはその加工の難しさから、人類が容易に手を出すことのできない「神秘の金属」でした。その希少性ゆえに王族などの装飾品として珍重されていましたが、美容成分として肌のために活用されることはありませんでした。その輝かしいポテンシャルは、まだ誰にも知られることなく、長い間眠りについていたのです。

第二章:テクノロジーとの出会い。「プラチナコロイド」の誕生

転機が訪れたのは1980年代。金属をナノサイズ(10億分の1メートル)という極めて小さな粒子に分散させる「ナノテクノロジー」が登場したことです。この技術によって、プラチナを液体中に均一に分散させた「プラチナコロイド」が誕生しました。

研究が進むと、このプラチナコロイドが持つ**強力な「抗酸化作用」**が明らかになります。肌老化の原因となる活性酸素にアプローチする力があるとして、2000年代初頭には、日本の高級スキンケア市場で一躍注目の的となりました。

しかし、この時点ではまだ課題が残されていました。ナノ粒子を安定させるために、PVPPEGといった「安定剤(コーティング剤)」で粒子を覆う必要があったのです。このコーティング剤が、肌への刺激となったり、有効成分の働きを妨げたりする可能性が懸念されていました。

第三章:究極の進化形へ。なぜ「ナノプラチナ粒子水」は別格なのか?

そして現在。技術はさらなる飛躍を遂げます。

長年の研究開発の末、安定剤を一切使わずに、プラチナのナノ粒子を「水」そのものに安定して分散させるという画期的な技術が生まれました。これが「ナノプラチナ粒子水」です。

では、従来の「プラチナコロイド」と、この新しい「ナノプラチナ粒子水」では、具体的に何が違うのでしょうか。その進化のポイントは、私たちの肌にとって嬉しいことばかりでした。

1. 肌への優しさが格段にアップ(安全性)
最大の進化は、安定剤などの添加物が不要になったこと。これにより、低刺激で防腐剤フリーといった、肌に本当に必要なものだけを届けるクリーンな処方が可能になりました。「水そのものに機能を持たせる」という発想の転換が、肌への優しさを実現したのです。

2. 驚きの浸透力と肌なじみ
コーティング剤というを脱ぎ捨て、水に溶け込むことで、まるで化粧水がしみ込むように、角質層のすみずみまですっと浸透します。さらに、粒子がまとう微弱な電気の力が、他の美容成分の浸透までサポートするブースターのような役割も果たしてくれるのです。

3. 毎日使いたくなる心地よい使用感
油分ベースのコロイドと違い、ベタつきが一切なく、さらっとしたテクスチャーが特徴です。見た目もクリアで、毎日のスキンケアが心地よい時間に変わります。

4. 最高のチームワークを発揮(他成分との相性)
水がベースのため、コラーゲンやヒアルロン酸、ビタミンC誘導体といった水溶性のスター成分たちと非常に相性が良いのも魅力です。お互いの邪魔をせず、むしろそれぞれの効果を最大限に引き出す最高のパートナーとして機能します。

かつてはただの硬い金属だったプラチナ。それは科学の光を浴びることで、肌に優しく、効果をしっかり届け、他の成分とも協調する、理想的な美容成分へと進化を遂げました。スキンケアを選ぶとき、その成分の背景にある進化の物語に想いを馳せてみるのも、新しい楽しみ方かもしれません。


 


 

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